[042] インターネットにアジアの露天の様な店を開く

  現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
                           (2002/10/16)
  第42回 インターネットにアジアの露天の様な店を開く

      ~ アジアの片隅の露天商 Stallkeeper NOAM 様 ~
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□□  ご挨拶

みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、ありがと
うございます。

さて今回のゲストは、
「アジアの片隅の露天商 Stallkeeper NOAM」様です。

実は今回のインタビューは、読者の方(一般消費者)から
『ぜひこのお店を取材して!』という依頼を受けて、実現したものです。
意外かもしれませんが、こういったケースは本メルマガ 初!

それでは、一緒に教わりましょう。

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■■  基礎データ

【店名】 アジアの片隅の露天商 Stallkeeper NOAM
【住所】 東京都大田区大森西1-2-4
【URL】
【主な取扱商品】 シルバーアクセサリー・アジア雑貨
【オープン】 ホームページ自体は2000年1月
        ネットショップとしては2000年3月から


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■■  特徴、優位性

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴社における電子商店の位置付けは?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
オンラインショップのみの通販専門店です。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|ホームページでの販売を始めたきっかけや理由は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
ホームページの紹介欄にも書いてますが、会社に在職中のある日、外回り後の
渋谷の歩道橋の上で雑踏を眺めていたら急に旅に出たくなり、会社を円満退社
しアジアに出発いたしました。

日本に居るときは分刻みのデジタル的日常でしたが、旅の最中でのアジアの
日常は実にアナログ的で時間も緩やかに流れる大河の様な感覚で、久しぶりに
生きている実感を味わいました。

その旅の最中に何度も立ち寄ったアジア各地の露天市場では日本では無くなっ
てしまった感のある熱気の溢れる中で野菜や魚を売っていて、過去映像関連や
ソフト関連等アイデアが主体な仕事をしてきた私にとって物を売るというのは
とても新鮮でした。

そんな熱気溢れる市場の中で「よしっ!私も露天で物を売ってみよう!」と
思い立ちインターネットに露天の様な店を開くことにしたのがホームページ
開設の発端です。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|取扱い商品は、店長が自らアジアを歩き回って、五感を駆使して集めてきた
|ものだけとのことですね?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、自分で手にとって仕入れたものしか取り扱ってません。

現在では各国の業者の皆様から商品のご紹介をいただいたり各国の問屋や工場
とも面識が出来ているので国内からの発注も可能ですが、現地で汗をかいて
担いで持ち帰った物しかホームページには掲載していません。

理由は、汗をかいて担いだ分気持ちを込めてお客様にご紹介できますし・・・
でも本当の理由はきっと私がアジアが大好きだからでしょう。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|その他、貴店(電子商店)の特徴や優位性は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
アジア関連の雑貨店はインターネット上ではとても多いのですが、私の場合は
どちらかといえば民族色の濃いものより現地の人も日常購入するようなものを
ご紹介しているので、他店様とあまり競合していないところでしょうか。

現地で見かけた面白いものはとりあえず仕入れてますので変わったものも色々
あります。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|最近の売れ筋商品、お勧め商品、目玉商品は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近では手作りアクセサリーやシルバーアクセサリーでしょうか。

手作りアクセサリーは天然石や手作りパーツを現地で仕入て全て手作業で製作
していますので、一つとして同じものがない事とあまり派手ではないので日常
身に着けていられる事がお客様にご好評のようです。

又シルバーアクセサリー等の中には、私のいたずら心で絶対日本では購入でき
ない価格設定をしている物がありますので、そのような目玉商品を購入された
お客様からよくお礼のメールをいただきます。

そのような商品は新商品の掲載から半日で売切れてしまう商品も御座いますが、
私はそういうのがとても楽しくてホームページの各所に目玉商品をそっと埋め
ていますので、そのような商品を探すのもきっと楽しいとおもいます。

 

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■■  プロモーション

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|主な広告宣伝方法は?販売促進方法は?効果的なのは何?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
開設当初はサーチエンジンへの登録と数箇所に広告を出していましたが、当時
は広告の効果があまり感じられず、現在はアジア関連のホームページ1つに
広告を出している以外は殆どなにもしていません。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|「店長の旅日記」「店長何食べてるの?」「コラムdeアロイ」は、非常に
|面白く、読みごたえ&見ごたえがありますね。
|お客様の評判も良いのでは?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい。
私個人のコラムなのでオブラートにくるまずに、不味い物は不味い、つまらな
いものはつまらない、と歯に衣を着せずに書いているのがご好評のようで、
中には「コラムが面白かったので商品を購入します」というありがたいお客様
もいらっしゃいます。

「店長何食べてるの?」は空港のラウンジの軽食からツアー旅行では絶対口に
できない超ローカルな食べ物まで写真でご紹介していますし、
「店長の旅日記」では各地でのエピソードが、
そして「コラムdeアロイ」では料理講師の友人がエスニック料理を日本でも
簡単に作れるようにご紹介しています。

それ以外にも各地で撮った写真の壁紙やスクリーンセーバーも御座います。


■■■
■■  そこまで言って大丈夫?運営の裏側

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|全商品、直接現地に行って買い付け?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
100%直接現地に行って買い付けています。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|年に何回くらい買い付けに行っている?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
多いときで6回少なくても3回くらいです。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|1回の買い付けで、多いときは何ヵ国くらい訪れる?
|また多いときは何日くらいかけて回る?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
以前は3カ国くらいでしたが、現在は1国のときもあります。
又1回に1月位は現地に滞在しています。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|1ヶ月!!その間のショップの運営はどうしてる?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
受注のみで発送は帰国後まとめて発送しています。
発送が遅れるために購入をキャンセルされるお客様は殆どいらっしゃいません。

ただ帰国後に商品の発送と新商品の撮影や登録が重なるので、帰国後の翌日か
ら数週間はかなり忙しくなるのが難点ですが。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|リピーター特典が充実していますが、リピーターと新規顧客の比率は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
当ホームページの商品を気に入っていただけたお客様は最初の商品が届いたそ
の日に次のご注文をいただける場合もありますし、毎年何回か継続してご購入
いただいているお客様もいらっしゃいます。

又、仕入にいく直前になると良くご利用いただくお客様方から
「こういうのが欲しい」とリクエストを受けて現地で探す場合も多いです。

新規顧客の2-3割は再度ご利用いただいています。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|電子商店は単独決算?単独の場合、単年度黒字?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、インターネットショップなので経費は旅費と仕入代金くらいですし、
人件費も一人分なので特に問題ないです。

 

■■■
■■  システム関係

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|「買い物かご」システムは、検索機能もあって充実していますね。
|自作?購入?レンタル?
|購入/レンタルの場合、どちらのシステム?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
以前市販されていた物を部分的にかえて使用していますが、残念ながら現在は
市販されていません。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|決済手段として、『イオンレジ』 http://www.aeonmarket.com/aeonregi/
|を使われているようですが、使い心地は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
お客様の発注を受けてからこちらから入力するタイプですが、私の場合仕入れ
の為度々受注のみになりますので帰国後在庫と照らし合わせて処理できるので
便利です。


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■■  店長のホンネ

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|電子商店の店長になって(電子商店を開いて )、これまで一番良かったこ
|と、悪かったこと、困ったこと、うれしかったことは何?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
やはりご購入いただいたお客様から「気に入った!」というようなメールを
頂く時でしょうか。
正直やっていて良かったと思うのもそういう時です。

あとはリピーターのお客様に2回目以降のご注文を頂いた時は、「商品が気に
入ってもらえた」と実感できますし、「がんばれよっ」というメールを頂く時
も嬉しいですね。

私個人としては、今でも頻繁にアジアに渡航できることと自分の時間が作れる
ようになったことが、過去の私の日常に比べればとてもありがたいです。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|その他、何か特筆すべきエピソードはありますか?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
ビルマの海上でボートのエンジンが止まって漂流しそうになったり、財布を忘
れてバイクタクシーにただ乗りさせてもらったり、入国処理を忘れて密入国に
なりそこねたり、集団強盗を目撃したりと海の向こうでは色々楽しませてもら
ってますが、
イスタンブールに行ったとき毎日同じ道を商品を大きな袋に入れて担いでホテ
ルに帰っていると茶店のトルコ人のおじさんたちが
「日本人か?」「なんで日本人が観光しないで荷物担いでいるんだ?」
「大変だな」「がんばれよっ」
って次々に声を掛けてきて・・・仕入が終わり食事にその道に行くと
「お茶飲んでけ!」「飯食ってけ!」って・・・
嬉しいやら恥ずかしいやら・・・

タイなどでもよく汗だくで荷物を担いでいると知らない人にジュースをもらっ
たりしますが、海の向こうで親切にされると思わずグッときてしまいます。

 

■■■
■■  読者へ一言

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|これから電子商店を立ち上げようとしている方に対して一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
インターネットに国境は無いので、日本の常識はネットの非常識な場合もある
と思います。

「えっこんなもの売れるわけないじゃん!」というものも売れてしまうのが
ネットだと思います。
だから既成概念にとらわれず斬新な商品を提案するのもいいのではないでしょ
うか。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|一般消費者に対して一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
ホームページの名称にもあるように露天商のお店ですので、道端でちょっと
覘いていくような気楽な感覚でお立ち寄りいただければ幸いです。

掲載されていない商品でもお問い合わせいただければ仕入の際に現地で探すこ
ともできる場合も御座いますし、当店をよくご利用のお客様方は
「次はこれを仕入れてっ!」とか「こんなの探してきて」とか仕入前にはリク
エストをよくお預かりしています。

そのようなリクエスト商品はホームページ掲載前に売り切れる場合も御座いま
すので、ご希望の品が御座いましたらお気軽にメールにてお問い合わせ下さい。

ネット注文時、『インタビューを読んだ』と書き加えていただいたお客様は
「配送料無料」にてサービスさせていただきます。(2002/10/31まで)

□□□
□□  編集後記

アジアの片隅の露天商 Stallkeeper NOAM 様、ありがとうございました。

最後に、今回のインタビューのきっかけとなった推薦文もご紹介します。

> このショップは、店長が自らアジアを歩き回って、五感を駆使して
> 集めてきた商品が満載の、味のあるサイトです。
>
> アイテムは、アジアのアパレル品、アクセサリーが豊富に揃っている
> のを始め、他ではちょっと見かけないエスニックグッズ(トムヤムクン
> スープ用なべとか。(笑))があり、見ていて飽きません。
>
> 店長自ら、すべてをこなし、それが充実したコンテンツに反映されている
> のもお見事!といいたいですね。

この推薦文からも、お店の雰囲気がわかっていただけるのではないでしょうか。

(後略)

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