[080] 特別編:光があれば影もある

 現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
                            (2003/07/16)
 第80回 特別編:光があれば影もある
                             1,905 部
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□□□
□□  ご挨拶

みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

さて今回は、普段とは趣きを変え、ショプ名を隠してのインタビューです。

というのも、今回は日の当たる表向きの話ではなく、ドロドロとした裏側の話
が中心だからです。

人気店といえど、さまざまな問題を抱えている・・・
光があれば影もある・・・

この、至極当たり前のことに目を向けるのも、ときには勉強になるはず。
それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

    【店名】  化粧品店A(註)
   【会社名】  
    【住所】  人口二十数万の地方都市
   【URL】  

註)インタビューに応じてくださったショップがどこか特定できないように、
  取扱商品を変え、ここでは化粧品店ということにしています。


■■■
■■  背景

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|まず、背景として、インターネットショップ開店前の話をお聞かせください
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
十数年前、(実店舗の)化粧品店を始めました。
もちろん今も開いています。

このお店は、義理の妹と私の共同事業という形で、おおまかではありますが、
私が代表で仕入れと販売、義妹が経理といった役割分担で、アルバイトも数名
雇っていました。

長年化粧品店を営んでいれば、ときには素晴らしい商品に出会うこともありま
す。
今ネットで販売している商品がそれなのですが、私が1利用者として惚れ込み
何度もメーカーへ足を運び、やっとのことで仕入れができるようになったもの
です。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|その商品なら全国的に売れるだろうと?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい。
オンラインショップだったら地方の小さなお店でも全国を相手に商売できる!
と考え、数年前、パソコンの知識などほとんどないままに、手探りで立ち上げ
ました。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|そこで問題発生?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
オンラインショップがきっかけかどうかはわかりませんが、義妹がお店に顔を
出さなくなり、そうこうしているうちに突然、同じ市内に別の化粧品店を開い
たのです!

店頭には、私が惚れ込んで苦労して仕入れたその商品も並んでいるし・・・

しかも、これは今も係争中なのですが、共同で借り入れた数千万円については
知らんぷり。私から見れば、借金だけ私に押し付けて逃げられたという思いで
一杯です。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|共同事業者が、仕入先と顧客名簿を持ち出して行って、強力なライバルに
|なってしまったということですね。
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
それだけなら、世間によくある話かもしれません。

狭いと言っても二十数万都市。地元で細々とやってくれているのであれば、
気にはなりますが、インターネットで全国展開を考えていた私にしてみれば、
(係争中の金銭トラブル以外は)我慢もできます。

 

■■■
■■  インターネット店

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|と言うことは、そのお店もインターネットに進出してきた?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
そうなんです。
しかも、うちと同じコンセプトで、うちと同じような展開で。

具体的に言いますと、まずは自社ドメインの店舗、続いて地域ポータルサイト
への出店、そして今度は大手ショッピングモールへの出展。

全て、うちの後を追うようにして、半年から1年遅れで展開しているのです。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|実際にそのサイトを見たのですが、たしかにコンセプトは一緒ですし、展開
|も同じようですね。
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
その都度、地域ポータルサイトなり、大手ショッピングモールなりに抗議は
するのですが、事情はわかってくれても、拒否はしてくれないんですね。
結局、似たようなお店が、同じ値段で、並んでいるといった状況です。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|今、そして今後、どのような手を打っていかれるのですか?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
その商品名で検索すると、どの検索サイトでもうちのお店の方が上位に表示さ
れますので、これをまずキープしていきます。

それから、商売の常道ですが、実店舗・オンラインショップの両方でどんどん
売って、メーカーに対する発言力を強めていきます。これは仕入値や供給量に
大きく影響するので。

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――
|そうは言っても、気が休まらないとか?
└――――――――――――――――――――――――――――――――――
今はこちらが半年以上先行していますので真似されていないものもあるのです
が、いつまた真似されるかと、正直、戦々恐々としています。

でも幸いうちにはオンラインビジネスに長けたスタッフもおります。
頑張って勉強し、常に一歩以上先を進んで行くしかないですよね。

 

□□□
□□  編集後記

化粧品店A様、ありがとうございました。

ノウハウを知り尽くしたスタッフの独立、しかも同じ商品を同じように販売。
古くからある話ではありますが、商圏が全国(全世界)に広がるインターネッ
トショップの場合、その影響は昔の比ではないのですから、A様が思い悩まれ
るのも無理はありません。

そしてA様のおっしゃるように、より多くのお客様に支持され、メーカーへの
発言力を強めていくしかなさそうですね。



ところで、今回のインタビューにあたり、A様からぜひアドバイスをとのこと
でしたので、1つだけ。

今回のインタビューだけですとライバルは1社というように見えますが、実は
化粧品を扱う全てのインターネットショップがライバル。

このことはA様も十分認識しておられるようで、こちらで独自に調査したとこ
ろ、今のところA様のサイトは、

 ・商品名で検索されたときは、検索結果の上位に表示
  (その商品そのものを探しているお客様向け)

 ・商品に関連するキーワードで検索されたときは、
  アドワーズ広告 http://www.google.co.jp/survban1201 を表示
  (化粧品を探しているお客様向け)

というようにしているようです。さすが。


そこでまず、

 ・アドワーズ広告を表示するためのキーワードを増やしましょう

 ・アドワーズ広告で表示する文言を、もう少し具体的にしましょう
  (今はちょっとわかりにくい気がします)

そして、

 ・アドワーズ広告の統計画面を調べて、反応の良いキーワードについても
  検索結果の上位に表示されるよう、サイトを最適化しましょう
  (これは未着手のようですね)

つまり、A様が既に行っている、その商品を知らない人に対してのアプロー
チを、これまで以上に推し進めていくのです。

ご存知のように、化粧品の市場は膨大です。

単にインターネット上にお店を開いただけの、インターネットで販売すること
について何も考えていないような小さなライバル店(外見ではあまり売れてい
なさそうです)のことは無視して、先へ先へと進んで行くほうが、経済的にも
精神的にも良いのではと思います。

(後略)

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