現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2006/07/05)
第228回 背水の陣で手にした大ブレイク!
3,671 部
花心堂 様
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□□ ご挨拶
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みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。
今回のゲストは、花心堂 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。
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■■ 基礎データ
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【店名】 花心堂
【会社名】 有限会社花心堂
【住所】 和歌山県田辺市芳養町7番地 1F-B
【URL】 http://www.rakuten.ne.jp/gold/kasindo/
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■■ 特徴、優位性
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|比較的早い時期からネット通販に目をつけておられたそうですね?
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私はもともと宿泊関係のサラリーマンだったのですが、1998年、パソコ
ンを使った販売に興味を持ち、実務の勉強を兼ねて地元の通販会社に
転職しました。
そして1999年、ちょうど楽天市場や逸品さんのことなどが、盛んにマス
コミに登場した頃ですが、当時の社長から、社内事業部としてネット
通販のテストマーケティングを仰せつかりました。
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|待望のネットショップ立ち上げですね?
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ところが指令は、モールじゃなく、自社サイト、しかも予算ゼロ。
商材は、地場産品。
しかもトップページは、地元の優秀デザイナーによる芸術品でしたので、
社長の自慢のトップページは、簡単に触れません。
当然、注文ゼロ。集客しないのですから、あたりまえ。
床の間の掛け軸じゃあるまいし・・・そりゃ売れません。
(当時はそんな感覚の社長さんも多かったですね)
それでも、
「売れないのはコイツの腕前のせいか?・・・ふむふむ。。ジロっ!」
って空気が漂い始めたので、マズイと思い、
無料投稿サイトをゲリラ的に、雨あられのごとく投稿乱射。
独自でSEOをして、予算ゼロ的集客戦術をはじめました。
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|1999年頃ですと、反応も良かった?
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ボチボチ集客できてきたので、買い物カゴだけは無料CGIとセキュリ
ティーのあるレンタルサーバーに切替。
メールマガジンの自社配信システムが無いので、「ADTOONE」という
ローカル配信ソフトで配信。
顧客管理やらなんやら、まさに、力仕事だらけ。
2000年には、勝手モバイルサイトをつくり、同じように作りました。
モバイルショップは社長には、「???」、さわり放題・イジリ放題
ですので、じゃんじゃんページ量産。
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|2000年頃、既にモバイルですか?
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モバイルサイトは、意外と反応が早くて、熱くなりやすいっていう媒体
としての特性を体感。
当時インターネット関連の書籍を執筆していたコンサルタントさんの
記事にもなり、秋葉原であったセミナーへ『モバイルで100万売る男』
としてゲストとして招かれたりもしました。
(2000年という時代はモバイルには早すぎたのか、お呼ばれは後にも先
にもコレッキリ)
当時は、「モバイルChance It」や「懸賞のつぼモバイル」の出始めで
したので、根気で繰り返し投稿していますと、無料で露出するチャンス
もあり、あっというまに4000アドレス位のリストが持てるようになりま
した。
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|「予算ゼロ的集客戦術」は、うまくいっていたのですね?
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見込み客獲得手法はメルマガ。
お試しセットによる、2ステップマーケティングってヤツです。
見込み顧客が集まると、それを本顧客に転換すべく、紙媒体DMを打っ
ていくってマーケティングモデルです。
インターネットは見込み客獲得のツールとして活用し、後は会社が得意
とするDMの世界へって感じでした。
成績は、転換顧客による本製品購入200万円、いわゆる月商200万でした。
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|貴店(ネットショップ)の、立ち上げ時期・立ち上げの経緯は?
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予算ゼロ・力技だけの原始的な手法に疑問を持っていましたとき、楽天
市場で活躍中の「卵の庄」店長さんによる、楽天RMSの解説ビデオを
見る機会があり「ビビッ」って感じる体験をしました。
それこそ目から鱗。
体中に熱いものを感じ、『神の啓示』かと、都合よく考え独立すること
を決心いたしました。
2001年11月独立起業、「有限会社 花心堂」設立。
2002年1月楽天市場へ出店。
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|とても素早いですね?
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しかし貧乏サラリーマンが独立っていっても、孤立無援。
子育て真最中。
家族は不安気。
前門の虎・後門の狼を絵に描いたような・・・情景。
国金(国民金融公庫)さんになけなしのお金を借りて、片道燃料を積ん
だ状態で船出。
はじめて門の内側へ立ち入るモールの世界ですので、勝算はまったくの
未知数。
国金さんへの返済開始は、6ヵ月後から・・・
開店6ヶ月目までに目鼻つけないと、討ち死にしますんで、ホント必死
です。
ビビリまくり。
月商200万の自信だけを頼りに、楽天市場への参入。
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|最初から順調だった?
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案の定・・・開店後、4ヶ月までは、泣かず飛ばず、
それまで、修行してきたDM理論が逆に災いとなって、楽天市場という、
独自な世界の研究を甘く見ていたのだと思います。
資金的にも追い込まれてましたので、もはや背水の陣。
一旦立ち止まり、真剣検証してみることにいたしました。
ECC(楽天のECコンサルタント)さんや先輩店長の親切な助言も
あり、試行錯誤を繰り返すうちに勝利の方程式が、薄ぼんやりと見えて
きました。
ただちにサイトリニューアルを決心・挙行。
そんな時に、出会ったのが
現サイトプロディーサー兼バイヤーの花心堂リエちゃんでした。
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|出会いのきっかけは?
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ページづくりのヘルプをネットで募集したら、11社くらい見積もりを
くれましたが、選ぶ判断基準がわからないので、エイヤって、
組しやすそうな女の子にしました。
サイトニューアルの依頼しましたら、これがビックリ!
あれよあれよって、凄いパワーで、絵や言葉を紡いでいくのです。
正直疲れていた私には「鶴の機織(はたおり)」に見えてしまいまし
た(笑)。
神様が見るにみかねて、天使を遣わしたのか?って幻想もわきました。
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|売上げの方は?
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数日であっというまに、見違えるほどのサイトになり、
そして、そんな折、
幸運にも持っていた商材「健康茶」が、TVで話題になり、これが
ビックリするほどのバカあたり。
はじめて、「大ブレーク!」って感覚を経験しました。
それで、運営を軌道に乗せるきっかけを得ることができました。
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|「売れる体験」の重要性に思い至ったとか?
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思うのですが、今でっかくなったショップさんでも、投げ出したくなる
時期があったと聞きます。
誰しもが、順風満帆にやってきたわけでないのです。
一度退店したショップさんが、ビッグショップになったりもします。
「ネバーギブアップ」の根性と、柔軟な感性。
古い衣を潔く脱ぎ捨てる、柔らかさがないと、タイムオーバーになっ
ちゃいます。
それと、どんな手を使ってでも「売れた!」って感覚をカラダに刻む
ことは大事だと思います。
今でも思いますが、ネットショップで何が肝心と言っても、この
『売れる体験』だと思います。
売れると、快感ホルモン(ドーパーミン)がよく発射され、人は
ポジティブ・アクティブに、前向きなイマジネーションを描く習慣が
身について、瞬間発想力と集中力が発揮されるようになります。
そうなると、誰しもが何かしら持ってる潜在能力を上手く引き出せる
ようになるんだと思います。
まったくもって勝手な方程式ですが。
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□□ 編集「中」記
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花心堂様、ありがとうございました。
商材がTVで話題になっても大ブレイクに至らないショップはたくさん
あります。
そのとき、サイトも含め、しっかりと受け入れの体制ができていたこと
が、大ブレイクに結びついたのでしょう。
さてその「鶴の機織(はたおり)」で天使、現サイトプロディーサー兼
バイヤーの花心堂リエちゃんの活躍についてのお話は、
次回(7/12頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに!
(後略)