[348] 農業 × IT

現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2010/10/27)
第348回 農業 × IT
2,405 部
紀州紀ノ川観音山フルーツガーデン 様
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□□□
□□  ご挨拶

こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

本メールマガジンは、バックナンバーも公開しておりますので、ぜひ
ご覧ください。
https://ten.surv.co.jp/

今回のゲストは、紀州紀ノ川観音山フルーツガーデン様です。
それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

【店名】 紀州紀ノ川 観音山フルーツガーデン
【会社名】 有限会社 柑香園
【住所】 和歌山県紀の川市下丹生谷557
【URL】 http://www.kannonyama.com/

■■■
■■  そこまで言って大丈夫?運営の裏側

┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店のお客様は、どのような方々が多い?
|どのような方に、お客様になっていただきたい?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

当園では、40~60代の健康を意識されるお客様が多く、首都圏の方が
多いです。

やはりホームページを見ていただいて同じような情緒、価値観を持っ
ておられる方と繋がりたいなと思います。

自分が友達になりたい、そして勉強になるお人と、ご縁をいただきた
いなと思っております。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|初めてを購入されたお客様に対して、次に購入していただくために、
|何か施策をしている?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

これはラーメン屋で気がついたのですが、ラーメンを食べていて
スープが減っていくとラーメンの器の下から
「ありがとうございます。またご来店下さい。」
という文字が出てきたんです。

スープが減るということは、食べ終わった頃ですから、ちょうど良い
メッセージになっているなと感心しまして、自分達にも応用しました。

例えばみかんを入れて出荷する場合、ダンボールの底に
「ありがとうございました。お味はいかがでしたか?
 私達は今日も紀州の里山で栽培に励んでおります。
またご縁を頂けますとうれしいです!」
というような感じのメモを入れました。

お客様がみかんを食べて、最後の底のところで見つける紙になります
ので、食べ終わる頃に再度私達を認識して頂けることになります。

もちろん連絡先も入れておりますので、みかんが無くなったところで
ご注文を頂ける様になっております。

また、他に各フルーツの収穫シーズンが始まる前に、前シーズンの
ご購入様へDMをお送りしております。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店が、お客様に提供している一番の価値は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

「日本の農業は面白い!」ということです。

農業の六次産業化が言われていますが、自分達が農業の最前線で
活躍し、農業を盛り上げることで、農業が面白いということを
お客様のお伝えできればと思っております。


【編集註】

六次産業(ろくじさんぎょう)とは、農業や水産業などの第一次産
業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す、
今村奈良臣(いまむら ならおみ)が提唱した造語。また、このよう
な経営の多角化を6次産業化と呼ぶ。

(Wikipedia より)

■■■
■■  店長のホンネ

┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|ネットショップを開いて、これまで一番良かったこと、
|悪かったこと、困ったこと、うれしかったことは何?
|開店前と後で、何が一番変わった?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

お客様からお喜びのお声を頂くことが一番の喜びです。

また、その日にお届けしないといけない荷物をまだ発送しておらず、
和歌山から千葉県まで配達に行ったことがかなり辛かったです。

農作業の時間がなかなか取れないのが、今の課題です。

「白いぼうし夏みかん」という取り組みの中で、全国の小学生から
もらう感想文がとても嬉しいです。
http://kannonyama.com/shopdetail/030000000003/


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|開店前と後で、何が一番変わった?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

開店前と後では、お客様をより意識するようになりました。

農業というのは作ったら終わりという時代が長く続きましたが、
今は「農産物→商品」、「農作業→経営」に意識が変化しました。

農業というのも、色々な産業のなかのひとつの業界。

利益や原価計算のしないことが農業の一番の問題だと思っております。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|差し支えなければ、具体例をお願いします。
└――――――――――――――――――――――――――――――――

「市場価格より良い」という理由で価格を付けているのがほとんど
ですが、自分の経営面積、収穫量、給料などを計算し、原価を出し、
最終価格を決定すべきだと感じています。

仮に100aの経営面積で、30tの収穫量の場合、自分の給料を世間並み
の600万円、他の方の給料を合わせて400万円に設定し、30tの収穫物
で3,000万円くらいの売上を出さなければいけないとすれば、
1tあたり300万円、1kg 3,000円で販売しないといけないです。

それで最終価格を決定し、その金額で売れなければ、規模を拡大
するなり、原価を下げるなり、給料を減らすなりしないといけない
と思います。

それが今の農産物の価格決定は、「市場で1kg 2,000円だから」
とか「JAに出荷するようりはいいから」という理由で決められて
います。

1kg 3,000円で売るためのマーケティングや、1kgを2,000円に
するための規模拡大や経費削減が出来ていないため、
「農業は駄目だ~」となっているのだと思います。

あまり関係ない話になりましたが、御容赦下さい。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|今後の目標、夢などを、どうぞ。
└――――――――――――――――――――――――――――――――

私自身がまだ経営を出来ていませんので、目標や夢を語ることが
出来ない立場にございますが、経営出来るようになれば、もっと
デザインなどに力を入れ、和歌山のフルーツのイメージを高めて
いければと思います。

フルーツといえば、「高野フルーツパーラー」様や「千疋屋」様の
ように、非常に高価に販売できる商材でもあります。
決して味では負けていないと思いますが、包装やデザイン、お客様
対応、ディスプレイなど、敵っていないところが多々あります。

ハード面を整備するのではなく、そうしたソフト面を強化し、洗練
された商材にしていかなければいけないと思っております。

ただ単に価格を上げるのではなく、原価を高くしてでも商品として
ご納得いただける包装、味、デザインの「商品」にしていきたいと
思います。

ゆくゆくは、世界に向けて、和歌山の加工品を販売していければと
思っております。

そして、より多くの農業者の方の「果物語」をお伝えしていきたいと
思います。

また、農業×ITの可能性を、さらに追求してまいります。

■■■
■■  読者へ一言

┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|これからインターネットショップを立ち上げようとしている方に対し
|て、一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――

ネットショップの成功は、いかに自分の熱意をページに表現できるか
だと思います。

商品を売るというよりは、情緒と熱意を表現するという感じが特に
製造業の場合は一番かと思います。

継続と決意が必要ですが、想いを表現する場としては絶好の場所だと
思いますので、短期的でなく長期的な目線で取り組まれたらと思いま
す。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|一般消費者に対して一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――

ネット注文時、『インタビューを読んだ』と書き加えていただいた
お客様は「百花蜂蜜の小瓶」をサービスさせていただきます。
(ただし2010/10/30まで)

□□□
□□  編集後記

紀州紀ノ川観音山フルーツガーデン様、ありがとうございました。


> 農業の六次産業化が言われていますが、自分達が農業の最前線で
> 活躍し、農業を盛り上げることで、農業が面白いということを
> お客様のお伝えできればと思っております。
> より多くの農業者の方の「果物語」をお伝えしていきたいと
> 思います。
> 農業×ITの可能性を、さらに追求してまいります。


お話を伺い、農業と、インターネットを含めたITとの相性の良さ
を、改めて感じました。

その最前線を走っておられるネットショップ、今後のますますの
ご活躍が楽しみです。

(後略)

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