[352] 商いの為の品物でなく、道具として優れたブラシを提供

現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2011/05/11)
第352回 商いの為の品物でなく、道具として優れたブラシを提供
2,394 部
ブラシの平野 様
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□□  ご挨拶

こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

本メールマガジンは、バックナンバーも公開しておりますので、ぜひ
ご覧ください。
https://ten.surv.co.jp/

今回のゲストは、ブラシの平野 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

 【店名】 ブラシの平野
【会社名】 有限会社平野刷毛製作所
 【住所】 東京都足立区西綾瀬1-2-23
【URL】 http://www.burashiya.com/
      http://www.adachi.ne.jp/users/burashi/

■■■
■■  特徴、優位性

┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|貴社は、今年、創業70年周年とのことですね。
└―――――――――――――――――――――――――――――――

ブラシの平野の創始者、故・平野道孝(みちたか)(私の祖父)
(1915年12月2日生まれ)は幼くして両親を亡くしました。

一家離散ののち、15歳のとき、富山県高岡から単身で上京。
刷毛(はけ)の名店「浅野刷毛店」に弟子入りをし、刷毛作りの
技術を身につけました。

1942年(27歳の時)に現在の地で独立。「平野刷毛製作所」を創業
しました。
古い常識に固執せずに新たな発想で時代のニーズに合わせた刷毛を
作る職人でした。

その後、時代の変化により刷毛の需要が減ってゆく中、替わって
ブラシの需要が高まっていきます。
息子の平野佳輝(よしてる)(現在の社長で私の父)はそこに着目。
刷毛に加えブラシを扱うようになりました。

職人というよりは商売人の二代目社長の佳輝。
新たな販路を開拓すべく試行錯誤するなか、百貨店という市場を
見つけます。

「高級な商品を扱うデパートで日用品のブラシなんて買う人がいる
のか?」
そんな周囲の予想を裏切るように、少しずつではあるが着実に売上
を伸ばしていきました。

ブラシはお客様に評判が良く、クチコミで話がひろがり、お客様が
お客様を呼んでくれました。
現在では全国の主要百貨店で販売を行うようになりました。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店(ネットショップ)の、立ち上げ時期・立ち上げの経緯は?
|どなたの発案で、どなたが中心になって立ち上げた?
|貴社における、ネットショップの位置付け・役割は?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

私・平野聡士(さとし)がパソコンを購入したのは1998年。
Windows98が出た頃でした。

ファミコン世代の私にとって、パソコンやインターネットには無理
なく馴染むことが出来ました。
しばらくはエクセルで社内の表計算を作る程度でしたが、
ホームページビルダーの存在を知り、
「とりあえずどんなものでも良いから作ってみよう」
と会社案内程度のサイトを立ち上げました。

その頃、百貨店での店頭販売は好調で、全国各地を飛び回るように
なっていました。
「おたくのブラシ良かったから」
と全国のお客様から電話やFAXをいただき、通信販売するようになっ
ていました。

「ブラシを使って良かったから、また買い求めたいんだけど、どこ
に問い合わせたらいいかわからない。」
という声も多かったため、インターネット上で
『ブラシ屋はここにありますよ』
という案内ができればいいという思いでした。

既存のお客様向けの看板のようなもので、ネットショップというより
百貨店販売の販促ツールの役割でした。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|役割は、どのように変わってきた?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

2000年くらいになると徐々に商品情報を掲載し始め、メールで受注
するようになりました。
当時は「買い物かご」のシステムを導入できなかったので、メール
にいちいち注文情報を入力して頂いていました。
(いまもこの注文方法が残っています)

初めはお客様の注文はわずかでした。その代わりに雑誌掲載などの
メディアからの問い合わせが多かったです。
「ブラシ専門店」というもの珍しさが話題になったのだと思います。

「ブラシの平野」の名を広めることが出来たので、広告としての
役割も果たしていました。


今後は、今まで築いてきた「ブラシの平野」とお客様の関係をネット
ショップを通じてより深めて行きたいと思います。

ネットでは「デパートでおなじみのブラシの平野」と謳ってきまし
たが、今後は「ネットでおなじみのブラシの平野」と店頭で謳える
ような店舗にしていきたいです。

ネットショップとリアルショップを両輪して進めて行きたいです。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|「ショップから一言」欄に、「道具として優れたブラシ」とありま
|すが、大量生産のブラシと比べて、どの辺りが、どう違う?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

商品は「商いの為の品物」。販売することが前提になっています。
良く売れる物、それが良い「商品」なのだと思います。

品質向上よりもコストダウンをして消費者が買いやすい価格に商品化
してにするものもあります。
逆に本来の機能に関係のないところに価値を付加して商品化している
ものもあります。


しかしそれらの中には、良い「商品」にすることにを意識しすぎた
結果、本来の「道具」としての価値を損ねてしまったものもあります。

大量生産品のブラシの全てが悪いわけではありませんが、世の中には
ブラシという名前だけで役に立たないものが数多くあります。

弊社は「ブラシは道具である」という基本を見直して、使いやすい
優れた「道具」のブラシを揃えております。

中には少々古くさいデザインのものや、お値段の安くないものなど
いろいろあります。

しかし、いい物は後世に伝え残して行く、それが我々ブラシのプロ
の役目だと思っております。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|今も、全国のデパート等で、出展販売されているのですね?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

弊社は、全国百貨店様の店頭で長年にわたり接客対面販売を行って
おります。
弊社スタッフがご案内ご説明をする中、実際に見て触ってご覧いた
だけます。

洋服ブラシや歯ブラシは、触って硬さ柔らかさを確かめられますし、
ヘアブラシは髪に当てていただくことも出来ます。

「インターネットで見ました」と言ってご来場くださる方も多く
いらっしゃいます。
ネット通販ではご購入までに至らない方も、実物をご覧いただき
ご納得されてお求めになるようです。

それとは逆に、店頭で見て購入し損ねた方が、ネット通販をご利用
になることもあります。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|対面販売とネットショップは、感覚的には近い?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

ネットショップを運営していて大切にしていることは、デパートで
の販売と同様に「いつも目の前にお客様がいるのだ」と感じること
です。

とかく事務的になりがちなメールの返信や事務手続き・電話応対で
いかに温もりを伝えるかが重要だと感じます。

インターネットというデジタルなツールですが、結局はアナログな
人と人のつながりです。face to faceなコミュニケーションが欠か
せません。

私自身、たまに店頭に立つことがございますが、お客様の生の声を
聞いていつも勉強させられます。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|最近の売れ筋商品、おすすめ商品、目玉商品は?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

洋服ブラシ、ヘアブラシ、歯ブラシが特に人気の売れ筋商品です。

様々なテレビ、ラジオや雑誌に取り上げていただき、ここ数年、
洋服ブラシのご注文が増えました。

ヘアブラシは最近特に売れているアイテムです。
「髪につやが出てスタイルが思い通りに決まる」と多くの男性・女性
に支持されています。

□□□
□□  編集「中」記

ブラシの平野様、ありがとうございました。


> 商品は「商いの為の品物」。販売することが前提になっています。
> 良く売れる物、それが良い「商品」なのだと思います。
> しかしそれらの中には、良い「商品」にすることにを意識しすぎた
> 結果、本来の「道具」としての価値を損ねてしまったものもあります。
> 弊社は「ブラシは道具である」という基本を見直して、使いやすい
> 優れた「道具」のブラシを揃えております。


ブラシ専門店としての誇りや、ブラシのプロとしての責任感が猛烈
に伝わってきます。
近くのデパートに来てたら、行って、手にとってみたくなりますね。


この続きは、次回(5/18頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに!

(後略)

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