[363] プロ用清掃資材のコンビニを目指して

現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2013/02/27)
第363回 プロ用清掃資材のコンビニを目指して
2,074 部
プロ用清掃用品ショップ 店舗まるごと『ぴっか美館』 様
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□□  ご挨拶

こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

本メールマガジンは、バックナンバーも少し遅れて公開しております
ので、ぜひご覧ください。
https://ten.surv.co.jp/

今回のゲストは、プロ用清掃用品ショップの、
店舗まるごと『ぴっか美館』 様です。

それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

【サイト名】 プロ用清掃用品ショップ 店舗まるごと『ぴっか美館』
 【会社名】 株式会社 文化雑巾
  【店主】 梅澤様
  【住所】 埼玉県鴻巣市天神2-3-19
 【URL】 http://pikkabikan.shop-pro.jp/

■■■
■■  特徴、優位性(1)

┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|最初に、貴社の主な業務を、ご紹介ください。
└―――――――――――――――――――――――――――――――

弊社が取り扱いしている商材は、プロのハウスクリーニング業者向け
の洗剤・道具になります。

今でこそ、ハウスクリーニング業者向けの企画・製造・販売になって
いますが、当初は仕入れをして、ただ販売する会社でした。

店舗は、国道沿いに大きな看板を出して営業をはじめました。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|創業は、いつ?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

この事業を始めようと考え始めたのが、2004年夏ごろです。
当時はプロの清掃業者向けの清掃資材販売会社で働いていました。
約6年ぐらい勤務していました。

仕事の内容は、ビルメンテナンス会社(以下ビルメン)への営業で
した。
ビルメンとは、ビルの日常清掃・定期清掃をしている業者です。

みなさんの出かける、ショッピングモール・スーパーマーケットなど
は、ビルメンさんが管理をしています。
見えないところで、ほこりを取ったり、トイレを掃除したり。
月1回は定期清掃でワックスを塗って、床をピカピカにしたりして
います。

そんなビルメンさんに、新しい洗剤・床に塗るワックス・清掃道具の
案内、ときにはビルメンさんと一緒にメンテナンス方法を考えたり
していました。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|プロの清掃会社向けの営業が長かったのですね?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

当時担当の会社で、ハウスクリーニング業者のお客さんは皆無でした。

のちのちわかるのですが、ビルメンとハウスクリーニングは、同じ
清掃業でありながら、異業だということです。


ここで、みなさんに考えてほしいことがあります。

もし、清掃業をこれから開業しようと思ったとき、洗剤・道具は、
どうするか?
今なら、ネットで探すのがあたり前ですが、当時はまだ一般的では
ありませんでした。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|当時は、どうされていたのでしょう?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

業者さんは、実際どうやって資材を手に入れていたかというと、
はじめにホームセンターへ行きます。
ここに無い専門的な資材は、プロの清掃資材を扱っている販売店へ
行きます。

しかし、みなさん、どこに販売店があるか知っていますか?

そうです、わからないのです、なので仲間に聞いたりして販売店へ
行って購入するのです。

販売店は、口コミでもなかなか分かりにくい、入りにくい場所に
あります。そこへ探してたずねて行くわけです。

ほとんどが、店舗の店構えをしていません。事務所です。
入るにも勇気がいります。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|わざと敷居を高くしている?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

販売店側の本音は、【正直、来店されると困ります】です。
なぜか?

そもそも来店して現金で買う販売方式になっていません。


販売店の業務・商品の流れを簡単に説明しますと、通常は、ビルメン
さんからFAX・電話で注文があり、それを配達員が現場に持っていく
システムなのです。
支払いは、掛け売りの伝票処理です。

ですから、通常業務にない、来社して現金購入してくれる人は面倒
な人なのです。

また、ここで対応するのが事務員なのです。
事務員には清掃の知識がありません。
来社する人は、清掃で困っていることなど質問して購入したいので
すが、事務員の人は、なにもわからない。

つまり、経営側からすると、来店する人は、少量しか買わないのに
面倒くさい客なのです。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|イヤイヤ対応している姿が眼に浮かびますね。
└―――――――――――――――――――――――――――――――

せっかくほしい商品があっても、売る側は、箱ごとでないと販売
しない。
しかし、ほしいのは少量だけです。

この風景を見ていながらふと思いました。
販売店が相手にしない社員5人以下の会社を相手にして、商売は
できないか?

そこで思ったのが『ブックオフ』。

私が学生の頃は、古本屋は小さな店舗でやっていました。
しかし、今は、女の人でも入りやすいブックオフのような店舗に
変わっています。

古い業界ほどチャンスがあると思いました。

そこで、プロ用の清掃資材を、コンビニのようにして販売できな
いか?と考えました。

上司にも相談しました。上司と二人でいろいろ案を考えました。
当時勤めていた会社の中で、新しい事業としてできないか?
いろいろ考えました。

漠然と考えていたのですが、だんだんと考えがまとまっていき、
ある日、当時勤めていた経営者にこのプランをプレゼンしました。

結果は、上司と私、二人とも会社を解雇されました。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|解雇、ですか・・・
└―――――――――――――――――――――――――――――――

解雇されたのが2005年7月、しかし、たった3ヵ月後の10月には、
今の会社を設立しました。

会社を創るのに頼ったのが、『創業・ベンチャー支援センター埼玉』
です。
http://www.saitama-j.or.jp/sogyo/

埼玉県が運営する無料の相談所です。
当時、支援センターができて2年目でした。

はじめて行ったときは、かなり緊張したのを覚えています。
とても入るのに勇気が必要でした。

しかし、当時、まさか会社を創ることになるとは思わなかったので、
ここしか頼るところがありませんでした。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|どのような支援を受けたのでしょうか?
└―――――――――――――――――――――――――――――――

入ってしまえば、担当者が丁寧・親切に話を聞いてくれます。
支援センターへ行き、こんなことがやりたいと担当者に、いろいろ
伝えました。

ビジネスプランを何回も書き直しました。
ほぼ、毎日行っていたような気がします。

プランをまとめていくことにより、客観的に見ることができ、現実味
のあるプランへとなっていきました。

センターが用意してくれた用紙には、こんなことが書いてありました。

●創業の動機・事業概要(新規性・競合優位性・市場性・成長性・
 リスク)

●販売活動方針・顧客ターゲット・販売ルート・価格政策・
 販売政策・仕入活動・生産活動

●人員計画・資金計画・設備運転資金計画・資金調達計画・
 販売粗利計画

ときには、いろいろな会社の経営者があつまり、その中でプレゼン
をし、意見をいただくこともできました。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|よろしければ具体例を。
└―――――――――――――――――――――――――――――――

プランを描くときに、とくに考えていたのが
『やらないことを決める』
ことです。

創業のときは、いろいろやりたいことがあるのですが、やらない
ことを決めるのが大切です。自分たちにしかできないことに資源
を集中し、外注に出せるものは出す。

たとえば、この業界だと、注文→配達(自社社員)が一般的です。
しかし弊社では、一切、自社配達はしません。

配達の人件費は固定費になりますし、人間トラブルも多いです。

前の会社の社内で、当時よく聞いた会話
『俺は持っていけない・この時間は無理』
などです。
配達員に配達させることが大変でした。届けるのに3・4日かかる
こともよくありました。

弊社では、売上に伴う経費として配達業者に依頼しています。
業者は、喜んで持って行ってくれます。
全国時間指定で、代金まで回収してくれます。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――
|埼玉県の賞を受賞されたそうですね。
└―――――――――――――――――――――――――――――――

数か月後に、このビジネスプランで、
「いちおし『起』業プラン大賞 優秀賞」
を頂くことになりました。

びっくりです。『これでいいのか埼玉県』と思いました。

□□□
□□  編集「中」記

店舗まるごと『ぴっか美館』様、ありがとうございました。


> 古い業界ほどチャンスがあると思いました。
> そこで、プロ用の清掃資材を、コンビニのようにして販売できな
> いか?と考えました。
> 上司にも相談しました。上司と二人でいろいろ案を考えました。
> 当時勤めていた会社の中で、新しい事業としてできないか?
> いろいろ考えました。
> 漠然と考えていたのですが、だんだんと考えがまとまっていき、
> ある日、当時勤めていた経営者にこのプランをプレゼンしました。
> 結果は、上司と私、二人とも会社を解雇されました。


解雇を乗り越え、埼玉県のお墨付きのビジネスプランで、起業!

そこで待ち受けていたのは・・・?

この続きは、次回(3/6頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに!


それから、店舗まるごと『ぴっか美館』様のご厚意により、
「読者限定サービス」をことづかっていますので、お知らせします。

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ハウスクリーニング業の方で、
ネット注文時、『インタビューを読んだ』と書き加えていただいた
お客様に、陶器用研磨シートを1枚プレゼントいたします。
便器洗面台などの、陶器表面に付いた黒ずみを傷つけずに取ること
ができます。湯のみの茶渋も簡単にとれます。
(ただし2013/3/31まで)
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みなさま、この機会に、ぜひご利用くださいませ。

(後略)

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