現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2003/11/05)
第95回 ショップの商標とブランド戦略
2,132 部
西川特許事務所 様
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□□ ご挨拶
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みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。
今回のゲストは
西川特許事務所 様です。
直接「モノ」を販売しているインターネットショップではありませんが、
インターネットショップを運営するうえで知っておかなければならない話
が山盛りです。
それでは、一緒に教わりましょう。
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■■ 基礎データ
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【名称】 西川特許事務所(弁理士 西川 幸慶)
【住所】 兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
【URL】 http://www.jpat.net/
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■■ 特徴、優位性
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|特許事務所を開設したのは2001年とのことですが、最初から
|ホームページを開いていたのですか?
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私は大手メーカーに勤務していましたが、1992年に弁理士試験に合格し、
その数年後に大阪の特許事務所に転職しました。
そして、2001年に独立して特許事務所を開設しました。
ホームページ自体は前の特許事務所に勤務していた時から持っていて、
主に特許や商標についての無料のメール相談をボランティアでしていまし
た。
私の知識が人の役に立つことが嬉しくてそんなことをしていたのですが、
仕事とは関係ないので帰宅後や休日に相談の返事を書いていました。
趣味でやっていたのでドメインもとらずプロバイダの提供してくれた、
ホームページを利用していました。
最近は手を入れていませんが、今でもその残骸が残っています。
http://member.nifty.ne.jp/go-pat/
現在のホームページは、自分の事務所を開設して、しばらくしてから作り
ました。
手作りなので素人臭くて恥ずかしいですが、お客様からは
「特許事務所にしては楽しそうだったので、気楽に相談できた」
と言っていただくこともあります。
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|ホームページの目的は?
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中小企業さんや、個人事業の方を支援したいと考えているので、情報の
提供や相談を通してこれらの方の役に立ちたいと思っています。
もちろん営業の窓口としての目的もあります。
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|ホームページを見て直接申し込んで来るお客様も多いとのことですね?
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はい。
おかげさまでインターネット経由のお客様も沢山おられます。
いきなり仕事のご依頼というお客様もおられますし、メール相談を通して
信用していただき、ご依頼いただくお客様もおられます。
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|インターネットショップを経営されている方からの依頼も多いとか?
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はい。
家内がインターネットショップをしている関係もあってか、ショップの
店長さん達とも交流があり、ありがたいことに口コミでもたくさんご利用
いただいています。
どれだけ効果があるかわかりませんが、感謝の気持ちとしてホームページ
からショップさんのホームページにへのリンクを張らせていただいていま
す。
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|ショップが商標登録するのは、どういった理由からでしょうか?
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昔なら同じ名前の商店があっても、地理的に離れていれば別の商圏となり、
あまり意識することはなく、問題となることも少なかったのですが、
インターネットの場合、同じ商圏となってしまいます。
そのため、北海道のショップさんと沖縄のショップさんが同じ店名で、
お客様が店を間違って商品を購入されるようなことが起こり得ます。
そのような自体を避けるためにも、自分がその名前を独占的に使用できる
商標登録はとても大切になります。
又、商標はブランドと密接に結びつきます。
例えば、「SONY」という商標を見ると、殆どの人が、あのSONY
さんを連想しますね。そして、SONYさんについて色々なイメージを
持っておられるはずです。
つまり商標には商品や商品提供者への「信用」が付いてくるのです。
買い物をするときにも
「あの会社の(あの商標の付いている)商品なら品質が良い」
とか判断することがありますよね。
もし、他人が勝手に自分と同じ店名で粗悪品を売って、店名の信用を傷つ
けたらどうでしょうか。
「あのショップの商品は悪いよ」等の噂が広まって、何も悪いことをして
いないのに自分のショップの信用が損なわれることになってしまいかねま
せん。
そのようなことを防ぐためにも商標登録は大切なのです。
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|大きく分けて「特許・意匠」「商標」の2つ、その中にもさまざまな
|サービスメニューがありますが、最近多いのは何?
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このメルマガの読者の方はインターネットショップの運営者の方が多いと
思うので、特にインターネットショップさんからの依頼についてお話ししま
しょう。
「商標登録」としては、ショップ名やショップのロゴ等のご依頼が多いです。
「特許」は発明を保護するのですが、販売の仕方に関連した
「ビジネスモデル特許」や、ちょっとしたアイデア商品のご依頼が多いです。
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|商標登録を受けようとするショップへの一般的なアドバイスは?
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もしこれから店名や新商品の名前を考えようとされるなら、できれば造語
(言葉を組み合わせるなどして自分で作った名前)の商標にされると登録
しやすいと思います。
商品の普通名称や商品の品質等をそのまま表すような名称は商標登録され
ないからです。
例えば、「チョコレート販売店」さんが商標を出願するときには
「チョコレート」という商品について商標出願することになりますが、
このとき商標が「チョコレート屋」とか「チョコショップ」とか「ショコラ」
では、登録を受けることができません。
又、良い名前は他の人が先に商標登録を受けている可能性が高いという理由
もあります。
造語なら他の人が先に登録を受けている可能性は格段に少なくなります。
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|手数料1万円の成功報酬型出願代理「リスクカット商標出願」について、
|もう少し詳しく教えてください。
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これはお客様の強いご希望で作ったサービスです。
商標登録を受けるためには出願をする必要があります。特許事務所に出願を
依頼すると特許庁に納める印紙代以外に特許事務所の手数料が必要となりま
す。
でも、出願しても全てが登録されるわけではなく、特許庁で審査されます。
審査の結果「拒絶」が確定すると、商標登録は受けられません。すると出願
の時に払った費用が無駄になります。
それで、「登録にならなかったら手数料が無駄になって費用的なリスクが
大きい。無事登録されたら手数料を払うわ」という、困ったお客様がおられ
ました。
最初は「リスクをみんな事務所に背負わせて、あつかましい人だな」と
思ったのですが、よく考えると、確実に登録されることが保証されないの
に高額の手数料を支払うことに抵抗を感じる方がおられても不思議では
ありません。
そこで、出願の際の手数料は1万円だけいただいて、登録されるときに
成功報酬として割り増しの手数料をいただくこのサービスを思いつきまし
た。
もし拒絶されて登録を受けられない場合は、それ以上の費用は不要なので
手数料の損失は1万円で済むことになり、リスクが大幅に小さくなります。
只、事務所がリスクを背負うため、手数料は割り増しとなり、トータルと
しては通常の依頼よりも手数料が高くなります。
ですから、極端にリスクを怖れる方以外は、通常の出願をご依頼いただく
ことが多いです。
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■■ プロモーション
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|メルマガは、
| ・わかっちゃう! 知的財産用語
| ・『商標・サービスマーク 』 ど~んと来い!
|の2誌を発行されていますが、どういった内容? 発行の目的は?
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どちらも営利目的のメルマガではありません。
メルマガの内容の一部はホームページのコンテンツとしても利用している
ので、それだけでもメリットがあります。
(そうでもしないと、なかなかホームページの更新もしないので・・)
「わかっちゃう! 知的財産用語」
http://www.mag2.com/m/0000098536.htm
は、特許,商標,意匠,著作権等の知的財産権についての用語説明と、
それに関連する自分の経験談や関連情報を書いています。
知的財産関係の用語は、一般には馴染みが少ないです。用語説明の書籍も
あるのですが、難しい言葉で解説しているので、結局よくわかりません。
そこで、わかりやすい普通の言葉で説明すれば一般の方にも喜んでもらえ
ると思って始めました。
「『商標・サービスマーク 』 ど~んと来い!」
http://www.mag2.com/m/0000117418.htm
の方は、商標についてのコラムや雑談などを書いています。
気楽に読みながら 商標について興味を持っていただいくことが目的です
が、読者の方がこれを読んで商標をご自身のビジネスに有効に使って頂け
たら最高に嬉しいと思っています。
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|より多くの方にホームページを見てもらえるよう、何か特別なことは
|していますか?
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特に変わったことはしていません。
メールの署名,メルマガ,名刺,封筒,年賀状等にURLを書いている
程度でしょうか。
あと営業とは結びつきにくいのですが、中学,高校,大学,専門学校,
異業種交流会,商工会議所のセミナーなどで講師をさせていただく機会が
多いので、配付資料にさりげなくURLを入れたりしています。
(消されちゃったこともありますが・・・)
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□□ 編集「中」記
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西川特許事務所 様、ありがとうございました。
商標とブランド戦略について、「うちも今のままじゃヤバイ」と思われた
かたも多かったのではないでしょうか。
この続きは次回とさせていただきます。
お楽しみに。
(後略)