[096] 弁理士はサービス業だ!

 現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
                            (2003/11/12)
 第96回 弁理士はサービス業だ!
                             2,183 部
     西川特許事務所 様
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みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

2日連続の【臨時増刊号】発行、たいへん失礼しました。
今回から週刊に戻りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回のゲストは、前回(先週)に引き続き、
西川特許事務所 様です。

それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

【名称】 西川特許事務所(弁理士 西川 幸慶)
【住所】 兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
【URL】 http://www.jpat.net/


■■■
■■  そこまで言って大丈夫?運営の裏側

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|「以下のようなお仕事の依頼は大変申し訳ないですがお断りしておりま
|す。」と題して、
| (1)「大手企業様」からのご依頼
| (2)「大学」が出願人となるご依頼、「大学教授」が出願人となられる
|  ご依頼
| (3)「国」「官庁」や「県」「府」等の地方公共団体が出願人となる
|  出願のご依頼
| (4) 化学,医薬,バイオ関係の特許出願
|が挙げられていますが、それはなぜ?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――

(1)~(3)については、私が中小企業、個人事業、創業予定者、インター
ネットショップなどを支援したいと考えているからです。

大企業の仕事の場合、特許事務所は単なる「外注先」、「下請け」として
扱うことが多いです。
それよりも中小企業さんや個人事業主さんから感謝されつつ仕事をして、
一緒に成長していくことに魅力を感じています。
前の事務所をやめて独立したのも、そのためです。

実際のところ、大企業の仕事を受けている方が、仕事が安定して入ってく
るし、手数料も沢山頂けるし、顧問料も頂けるので経営上は楽なのですが、
自分のしたいことをしているので苦にはなりません。
(でも、独立後、収入はガクンと落ちたので家内には申し訳ないです。)

(4)は主に大手資本が関与している分野であって、技術的に私の専門外の
分野でもあるので、お断りしています。

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|トップページに「特許事務所についてのご意見お知らせ下さい」と掲示
|されていますが、それはなぜ?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
「特許事務所」「弁理士」というと、どのようなイメージをお持ちで
しょうか?
怖い弁理士の「先生」が威張っていて、手数料も驚くほど高いという敷居
の高いイメージを持っておられる方が多いようです。

確かに国家資格を持っていると「士業」「士族」等と呼ばれて、偉そうな方
もおられるようですが、私は「弁理士はサービス業だ」ということを意識
しているので、今までの特許事務所と違う、フレンドリーな特許事務所に
したいと思っています。

そこでいろんな方から意見を聞いて、事務所作りの参考にしようと思って
あのように呼びかけています。
これについては、まだ5件程しかメールはいただいていないのですが、
どれも凄く熱いメッセージで、感激しました。

 

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|電子メールによる「特許相談」もあるのですね?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
はい。
特許や商標など知的財産権に関してEメールで相談をいただくと、通常は
24時間以内に回答メールを送らせていただいています。

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|その相談料は「切手又は図書券1000円分以上」とのことですが、
|けっこうある?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
メール相談はよくありますね。
不思議と仕事が忙しい時に相談メールがたくさん来る傾向があって大変です。

でも相談してこられる方は返事を待っておられるので、できるだけ早く
回答するように心がけています。

昔は無料でやっていたのですが、相談件数がかなり多くなって対応するの
が大変になったのと、あまり真剣でないような相談も増えてきたので、
相談される方の大きな負担とならない範囲で有料にしました。

「切手又は図書券1000円分以上」ですが、「感動したら3000円分でも1万円
分でも好きなだけ送ってください」と書いているので、3000円分送って
くださる方もおられます。
そういうときは「役に立ったんだなー」と嬉しくなります。
嬉しいと言えば、殆ど毎回いただくお礼のメールも嬉しいですね。

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|逆に、回答をしても払われないといったこともある?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
最近では、払ってくれない人はメールを見ただけで検討がつきます。

挨拶も名乗りもせずに質問だけ書いてくるような方は、回答しても相談料
どころかお礼のメールさえ来ません。
それで、きちんと名乗らない方からの相談については全て
「匿名の方からの相談にはお答えできません」と返信しています。
もちろんホームページにもその旨書いています。

悪気無く忘れている方もおられますが、「回答届きましたか」とメールす
るとすぐに気づいて送ってくださいます。

切手でも昔の62円切手や41円切手を送ってこられる方がたまにおられるの
で、使いにくくて困ることはあります。

又、「切手又は図書券」と言っているのに「ビール券」とか「アイスクリー
ム券」とか送って来られる方もおられます。
まあどちらも 美味しくいただきましたが・・・(^^;)

最低だったのが「遠くて行けないスーパーの商品券」でした。

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|試験的に「出張面談」も始められたそうですね?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
ええ。
中小企業さんやインターネットショップさんの場合、わざわざ特許事務所
に相談に行く時間が取れないことが多いです。
そこで、私から出向いて面談するようなサービスを考えました。

顧問先以外の見ず知らずの小さな会社に訪問する弁理士って、あまり
いないと思います。

只、私も面談時間や往復の時間を使いますし、交通費もかかるので、
面談費用として原則1時間1万円いただいています。
この面談費用は真剣に悩んでおられる方かどうかの見極めとしても役に
立っています。

面談を通して商標出願等のご依頼をいただいたときは、この面談費用は
手数料から差し引いています。
つまり、ご依頼頂けた場合は結果として面談費用は無料となります。

最初は1万円払って相談したい方がおられるかわかりませんでしたが、
想像していたより多くの方にご利用いただいています。
凄いことに今まで出張面談した方からは100%仕事をいただきました。
お客様もそれだけ真剣だったのですね。

 

■■■
■■  店長のホンネ

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|ホームページを開いて、これまで一番良かったこと、悪かったこと、
|困ったこと、うれしかったことは何?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
一番良かったこと

自宅の1階を事務所にしているのですが、家族と一緒に晩ご飯を食べられ
るのは幸せですね。これもインターネットのおかけです。


悪かったこと

仕事もコンピュータで文書を作る仕事が多いので、一日中パソコンの前に
座っていることが多く、運動不足で太ってきました。

ホームページに顔写真(1年半前の写真です)を載せていますが、面談に
行くと必ず「写真より太ってますね」と言われてしまいます。

体脂肪も増えてきたし、運動しなくては・・。


困ったこと

メール相談で「確定申告」「会社登記」の相談や「人生相談」など回答で
きない相談を受けることがあると困ります。

(ちなみに確定申告は「税理士」さんの専門です。「税理士」と「弁理士」
の区別がつかない人って、結構たくさんおられるようです。)


嬉しかったこと

やはり、仕事をした後に、お客様に感激して頂けたときは嬉しいですね。


┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|その他、何か特筆すべきエピソードはありますか?
└―――――――――――――――――――――――――――――――――

私の事務所は兵庫県なのですが、ホームページを見て四国からわざわざ
相談に来られた方が最近2人もおられて驚きました。

 

■■■
■■  読者へ一言

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|これからインターネットショップを立ち上げようとしている方に対して、
|一言。
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
インターネットって本当に不思議ですね。
顔も見たことのない遠方の方からお仕事を頂けるのですから。

でも顔の見えない分、意思の疎通が難しくなるのでメールの書き方には
十分気を使ってくださいね。
メールでは誤解が生じそうな場合は、メールにこだわらずに電話するなり
会いに行くなりした方が良いと思います。

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|「相談」をしてみたいと思っている方に対して、一言。
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
「こんなこと聞いたら恥ずかしいのでは」など思わずにお気軽にどうぞ。
こちらまで、 pat@jpat.net

┌―――――――――――――――――――――――――――――――――
|読者の方々にも、一言。
└―――――――――――――――――――――――――――――――――
ありがとうございました。

インターネットショップのインタビューを期待していた読者の皆さん
ショップでなくてゴメンナサイ。

皆様のショップが、より成功されますよう、お祈り致します。

□□□
□□  編集後記

西川特許事務所 様、ありがとうございました。

「切手又は図書券」での支払いや「出張面談」のような、敷居を低くする
ための工夫は、非常に勉強になりました。

それにしても、
------------------------------------------------------
今まで出張面談した方からは100%仕事をいただきました。
------------------------------------------------------
は、スゴイですね。

(後略)

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