現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2005/08/03)
第183回 印刷業ではなく「印刷商材」販売業
3,834 部
印刷屋サッコ 様
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□□ ご挨拶
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みなさま、こんにちは。ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、誠に
ありがとうございます。
今回のゲストは、印刷屋サッコ 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。
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■■ 基礎データ
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【店名】 印刷屋サッコ(楽天市場店)
ブック型名刺のサッコ(本店)
【会社名】 有限会社サッコグラフィクス
【住所】 東京都千代田区神田錦町3-9 オムコビル1F
【URL】 http://www.sakko.co.jp/
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■■ 特徴、優位性
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|貴社が、ネットショップを始めたのはいつ? きっかけは?
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話は、約四半世紀前にさかのぼりますが・・・
●そもそもは、「英語が話せる公認会計士」になりたかった。
私は、上智大学外国語学部を1983年に卒業しました。父親はNHKに
勤めるサラリーマン。私は、唯一のとりえが「英語が好きであること」で
したので、上智の英語学科に入学し、在学中から経済学部の会計学関連の
授業を取って公認会計士になりたいと思っておりました。
交換留学で米国ウィスコンシン州立大学へ10ヶ月間行った際も、会計
関連の授業ばかり受講していましたし、帰国してから、水道橋の経理学校
に通って、公認会計士の受験勉強をしておりました。
二回受験したのですが、合格にはいたらず、当時付き合っていた女性
(現在の家内)の父親から、「もう、受験は止めて、うちの会社に来ない
か?」と誘われたのが25歳のとき。
それが印刷会社であったため、「印刷の"い"の字も分からない」私が、
この業界にはいるきっかけとなりました。
●退社 → 独立 → ネットショップ立ち上げ
その会社には12年在籍し、最後には営業部門の責任者をやっていました。
いろいろな事情があり、その会社を退社することになり、自分自身で印刷
会社を起業したのが1998年の3月のことでした。
しばらくは、ブローカースタイルで仕事をやっていました。印刷業界には
昔から多く存在するビジネススタイルで、営業マンとして、印刷物を受注
し、印刷・製本等の作成作業はすべて外注して差益を稼ぐスタイルです。
しかし、これでは多くの利益は望めず、かつ、以前から自分自身の中に
あった「印刷業そのものに対する不満」を解消するために2001年5月
に楽天市場への出店を決意します。
●印刷屋ほど、間抜けな商売はない!?
世の会社の多くは、自社の「商材」を持って、その販売に力を注ぎます。
それが、物品であるか、サービスであるかはさまざまですが、売る以上
は「商材」が必要であることは明らかです。
しかし、印刷業には、通常この「商材」がありません。印刷業界は、昔
から「受注産業」と呼ばれて、建設業と並んだ代表例としてあげられて
きました。
しかしこれは、耳に優しい、聞こえのいい呼び方で、私はこれを
「請負業」と呼んでいます。
つまり、印刷という業態は、印刷物を作成する『作業』を『請け負う』
ことが生業となっています。
本を印刷しても、パンフレットを印刷しても、それは印刷会社の「商材」
ではなく、それを作成することを請け負って、対価を得ているに過ぎない
のです。
以前から、私は「印刷とは、なんと間抜けな商売だろう・・・」と思って
来ました。印刷屋は、「お客様から原稿を頂かなければ、自分自身ではな
にも生み出すことが出来ない」からです。このようなスタイルでのビジネ
スを続け、さらに最近のように社会全体が不景気になると、「請負業」と
しての業態は、自然と価格競争に巻き込まれざるを得ません。
商材を持たない(自社に売るものがない)印刷業にあって、なんとかして、
商材を自分自身の手で作り上げたい!と起業した当初から考えていました。
●ネットショップを作ってはみたものの・・・
そんな想いから、楽天に出店し、まずは名刺デザインを毎日来る日も来る
日も作りつづけました。現在は、500種類を越えていますが、「名刺の
デザインをネット上に掲げ、それを『商材』として販売していこう」との
考えでした。
そして、なかなか売上は上がらず悶々としていたとき、ふと気づいたので
す。
「自分は、モノを売ったことが一度もないんだ・・・」
あたりまえです。『請負業』にどっぷりと漬かりきった体と頭では、自分
で商材の「つもり」になっているものを、とりあえず作ってWeb上に
載せることはできても、どうやったらそれが売れるのか?、「売り方」を
全く知らなかったのです。
間抜けな話です。
間抜けなビジネス形態から脱却しようとして始めたことで、また新たな
間抜けの材料を自ら作り出してしまっていました。
そんな状態から抜け出すために、出店後しばらくたってお誘いいただいた
楽天店長の勉強会に参加させていただき、「売り方」をゼロから勉強させ
て頂くこととなりました。その集まりは、みるみるうちに規模が大きくな
り、現在は、「NPO法人 全国イーコマース協議会」となっています。
【編集註】
全国イーコマース協議会
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=TYQXQ+4G5TGA+HE4+61C2R
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|楽天市場店の主な商品は?
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楽天市場店では、現在、さまざまな「印刷商材」を取り扱っています。
・ブック型名刺
http://www.rakuten.ne.jp/gold/insatsu/BOOK-MEISHI/index.html
16ページのパンフレット形式の画期的な名刺です。
名刺交換の際にお使いいただくことで、「ツカミツール」として、相手
に強烈なインパクトを与えるとともに、その場での「プレゼンツール」
としてお使いいただけます。
・「私の人生ノート」
http://www.rakuten.co.jp/insatsu/259175/#349490
「営業仕掛け人」のいとう伸さんとのコラボレーションから生まれた
画期的な書籍です。
20種類ものカバーデザインからお好きなものをお選びいただき、
カバーにご希望のお名前を印刷することが出来ます。
プレゼントとして最適で、特にシニア世代のかたへの贈り物にご好評
いただいております。
もうすぐ、楽天市場での売上が1000冊に到達します。
・【iアプリ版】動物キャラナビ
http://www.rakuten.ne.jp/gold/insatsu/charanavi/index.html
動物占いで有名となった、動物キャラナビ(個性心理學)をDocomo
ケータイのiアプリとして開発したものです。
ケータイにインストールするアプリですので、ネット接続が不要で、
電波の届かない場所でも、動物キャラナビの診断やキャラクターの
登録がケータイで出来ます。
今年の秋以降、この動物キャラナビをテーマとした手帳と書籍(2006年
の運勢が動物キャラクター別に分かる!)を出版・販売する予定です。
これは、個性心理學研究所の弦本將裕先生とのコラボレーションで、
出版社・書店を一切通さず、ネットのみで販売するオリジナル出版企画
です。
・名刺
http://www.rakuten.ne.jp/gold/insatsu/MEISHI/index.html
法人様用から個人様用まで、500種類以上のデザインをご提供して
います。
・ショップカード・メッセージカード
http://www.rakuten.ne.jp/gold/insatsu/SHOPCARD/index.html
ショップ様に商品同梱用などの用途にお使いいただくカードです。
・インクジェット用紙
http://www.rakuten.co.jp/insatsu/192598/
印刷屋が紙を売る、というのも変ですが、量販店等を探してもどこにも
売っていない、「両面写真画質対応のマット紙」をハガキサイズと
A4サイズで販売しています。
ハガキは、累計販売数が25万枚を超えました。
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|本店で販売しているのは、「ブック型名刺」だけ?
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現在、本店( http://www.sakko.co.jp/)では、ブック型名刺のみを
単一商材として販売しています。
これは、当社が考える独自ドメインでのネット販売の方向性に基づくもの
で、「単一商材販売サイトを複数運営していく」ことを狙ったものです。
今後、ブック型名刺を異なったターゲットに売るための複数のサイトを
立ち上げるとともに、その他の商材も、このスタイルでサイト構築&販売
を行っていきたいと考えております。
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|他の印刷関係のネットショップと、どのような差別化・独自化を
|図っておられますか? どういった点が、勝っていますか?
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検索サイトで、「印刷」や「パンフレット」等のキーワードで検索すると
数多くの「請負業型印刷企業」が何ページにもわたって出てきます。
当社は、「印刷技術を使った『商材』を企画・製作・販売する」ことを
社是としておりますので、向かっている方向性が全く他社様とは異なって
いると考えています。
「請け負い業」では、自社の製造設備と製造人員の稼働率をいかに上げる
かが会社の方針となりますが、当社ではオフセット印刷の設備は持つ必要
がありませんし、持つつもりもありませんので、印刷業界にありながら、
他社様とは違うベクトルに向かって進んでいる、と考えております。
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|最近の売れ筋商品、おすすめ商品、目玉商品は?
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・ブック型名刺
http://www.rakuten.ne.jp/gold/insatsu/BOOK-MEISHI/index.html
WEB上で、あるいは、リアルで、数々のお問い合わせとご注文を頂いて
おります。
1000部=100,000円(1部 100円)が基本ですが、5人以上の方で同じ
デザインで名前などの個人情報部分のみ差し替える場合には、お一人
あたり200部から作成させていただくサービスを最近始めました。
ご好評頂いております。
・インクジェット用紙
http://www.rakuten.co.jp/insatsu/192598/
先日、ハガキサイズとA4サイズをセットにした「お試しセット」を
作ったところ、メルマガ等で未だなにも告知していないのにもかかわら
ず、多くのご注文を頂いております。
ハガキサイズのみを販売していた際は、まず、100枚お買い上げになり、
品質に安心されたあと、2000~3000枚単位でお買い上げになるお客様が
多くいらっしゃいます。
ご注文の枚数から想像すると、業務用(DMなど)に大量にお使いにな
る用途であると思います。
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□□ 編集「中」記
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印刷屋サッコ 様、ありがとうございました。
> 当社は、「印刷技術を使った『商材』を企画・製作・販売する」ことを
> 社是としておりますので、向かっている方向性が全く他社様とは異なっ
> ていると考えています。
数々のユニークな商品の陰には、こういった社是があったんですね!
納得です。
この続きは次回(8/10頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに。
それから、印刷屋サッコ 様のご厚意により、
「読者限定サービス」をことづかっていますので、お知らせします。
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本店( http://www.sakko.co.jp/)にて、ブック型名刺をお買い上げいた
だいたく際、メールで、「メルマガ読んだ」とお知らせいただけましたら、
5000円の割引とさせていただきます。(2005年8月31日まで)
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みなさま、ぜひご利用くださいませ。
(後略)