[334] 故郷に帰ってきたような、気持ちが良い店づくり

現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2009/09/09)
第334回 故郷に帰ってきたような、気持ちが良い店づくり
2,430 部
尾道・藤原茶舗 様
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□□□
□□  ご挨拶

こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。

本メールマガジンは、バックナンバーも公開しておりますので、ぜひ
ご覧ください。
https://ten.surv.co.jp/

今回のゲストは、前回に引き続き、尾道・藤原茶舗 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。

■■■
■■  基礎データ

 【店名】 尾道・藤原茶舗
 【住所】 広島県尾道市土堂1丁目1-13
【URL】 http://www.fujiwara-chaho.co.jp/

■■■
■■  そこまで言って大丈夫?運営の裏側

┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店(ネットショップ)では、茶道具とお茶、どちらがメイン?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

ずばり「茶道具」です。

遠くからお見えになった観光客の方が、「茶道」をたしなんでいます
という言葉で、スッと古くからのお友達のような気持ちになります。

尾道の旧家の家で、初代がお納めした茶道具を見せていただいた
ことがあります。
箱の中に、当時の店の受取証が入っていたのです。思いもかけない
ところで初代の仕事に出会った時に、この仕事に対して、とても
誇りを持つことができました。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店のお客様は、どのような方々が多い?
|茶道具とお茶では、お客様の層は同じ? 異なる?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

あまり変わりませんね。
今は、高級茶道具店とかという感じはできるだけ排除して、広く
いろいろな方に入っていただける店に変えています。

先代は、年齢層が高いお客様が自然についていらしゃったので、
若い人が入りにくい状態でした。でも、年を召され、お客様が店に
来られなくなると、急に店が静かになったような気がしました。

「藤原茶舗」は、入りにくい。高級茶道具がたくさんあるという
イメージは大切ですが、商店街を歩く多くの家族連れ、観光客を
見送るだけ。

「これって、企業努力をしていないのでは?」と、反省をしたわけ
です。
多くの人が尾道に期待して街中に来てくださるのに、喜んでいただけ
る準備をしていない。そう考えると、店が変わってきました。

「茶道」をしたい「お茶が好き」という人の気持ちは一つ。
それを店の側で、分け隔てをするということも失礼な話です。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|どのように変わった?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

お客様がいらしゃったら、まずはご要望をお聞きします。それから、
そのお客様が満足できるような解答を導きだせる引き出しが、自分の
中にいくつあるかによって、対応が異なってきます。

そうやって、お客様と接しているうちに、
「今日の夕ご飯のお茶をください」といわれるお客様から、
「今度、お茶会で席をもつので」というお客様まで、
商店街を歩いて何かお土産をという方や、
外国の観光客の方など、
幅広い階層のお客様に見守っていただける店に変わりました。

お店って不思議ですね。どんな人でも、出入りしてくださらないと
気が滞ってしまいます。時々、自分の中に、どれだけの引き出しが
あるのかと思うときがありますよ。(笑い!)


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|茶道具を購入されたお客様に対して、他の茶道具を購入していただく
|ために、何か施策をしている?
|また、お茶を購入していただくために、何か施策をしている?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

押し売りは嫌いなので、特にしていません。
先生方の家を回り「道具を買ってください」とデパートの外商のよう
なことをされるお店もあるとお聞きします。

当店は、そこまでする人出がないこととと、特にお客様のご要望が
ない限りは、そのような販売はしておりません。

自然にお店に来ていただけるような、気持ちが良い店を作ろうという
ことで頑張っております。

お茶に関してもそうですね。
時々、「お茶の味が美味しくない」という苦情をいただくこともあり
ます。その場合などは、製造元にきちんとその旨を伝え、原因を調査
して、お客様にお応えする。

そのような当たり前のことをきちんと行っているだけでございます。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|お茶を購入されたお客様に対して、再度お茶を購入していただくため
|に、何か施策をしている?
|また、茶道具を購入していただくために、何か施策をしている?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

お茶の購入、茶道具の購入のリピーターですか。
今までは、更新に必死で、考えた余裕もありませんでした。
でも、今、ふっとひらめたことがあります。

思いつきでしかないので、言うことは憚りますが、自分が無理と思って
いることも、実は、もう少しほり下げれば、通販向きの商品になるの
ではないかと考えました。

すでに実行されてるお店もありますが、「お茶の定期購入」など、
わざわざ申し込まなくても無くなったころに、お届けというのも、
お客様にとっては嬉しいことですね。

誰かの「問いに答える」そのために思考を集中させる中に、
発見がたくさんあるような気がしました。
気づきをありがとうございます。


┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|貴店が、お客様に提供している一番の価値は?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

なんでしょう。(微笑)こちらが、決めるものではないような気が
します。
当店が、お客様にお届けしたいのは、「気持ち」でしょうか。

茶道具という末代ものの商品を扱う店という自覚を持って、その方の
子孫末裔の人に良い仕事をしてもらったというような商品をお届け
したいですね。

いうなれば、店が続いている限り、お客様とは節度をふまえた親しい
おつきあいをさせていただくということでしょうか。
何かお話をしたくなったら、ふらりと寄ってくださいね。という
家に帰ってきたような気分になれることですか。。。(汗・・)

■■■
■■  店長のホンネ(1)

┌――――――――――――――――――――――――――――――――
|ネットショップを開いて、これまで一番良かったこと、
|悪かったこと、困ったこと、うれしかったことは何?
└――――――――――――――――――――――――――――――――

良かったことは、ネットで世界が広がったことです。
遠く離れていても目的や悩みが同じ仲間を見つけることができ、
「茶道」に求められていることが、広く多角的に見渡せるようになり
ました。


悪かったこと。

一度だけ、商品を発送しなかったことがあります。メールでの注文が
期日指定で、明日午前中となっており、商品手配が間に合わず、夜中
にメールをして翌日、電話で発送できていないことをお知らせしよう
としましたら、現在使われていない電話番号でした。

焦って、送ってしまったら、代金回収ができないところでした。
やはり、発送するときは、どんな方なのかわかるまでは、緊張します
ね。


困ったこと。

年末に大阪のホテルから、新年のご挨拶に使いたいと大口注文が入り
かけた時があります。26日注文で、機械も生産ストップがかかりそう
な時です。
28日納品の商品をお届けできるかどうかという交渉をさせていただき、
許可も下りたのですが、ホテル側の都合で、キャンセルとなりました。

メーカーに申し訳ない。どう謝ろうか。断ろうかと困っていましたら、
メーカーのほうから、「機械が壊れて受注できない」との連絡があり、
びっくりしたことがあります。

もし、引き受けていたら、最初の大きな取引で、相手先に大変な迷惑
をかけていました。

それ以後、困ったことがあっても、それは流れなのだからと、気にせず
に、すごすようにしています。
自分の思うようにならないときが、実は、大きな力で守られている
場合があると感じたからです。


一番嬉しかったこと。

初めてのご注文をいただいた時ですね。メールを見ながら、嬉しくて
店の中を走り回っていた気がします。何度も注文メールを見ながら、
ニヤニヤ。。
どこの誰。知り合いじゃない。どうして買ってくれたの?と、
いろいろと考えて夕食の会話が盛り上がったことを覚えています。

第一号のお客様は、子供のころ尾道のおばあちゃんの家に行き、
うちのお店に寄ってくださって、そのお茶が飲みたいので、ネット
で購入できると知ってご注文をいただいたとわかりました。

□□□
□□  編集「中」記

尾道・藤原茶舗 様、ありがとうございました。


> お客様がいらしゃったら、まずはご要望をお聞きします。それから、
> そのお客様が満足できるような解答を導きだせる引き出しが、自分の
> 中にいくつあるかによって、対応が異なってきます。
> そうやって、お客様と接しているうちに、
> 「今日の夕ご飯のお茶をください」と言う人から、
> 「今度、お茶会で席をもつので」というお客様まで、
> 商店街を歩いて何かお土産をという方や、
> 外国の観光客の方など、
> 幅広い階層のお客様に見守っていただける店に変わりました。


観光地を訪れる一見のお客様が、ふと立ち寄ってみたくなるお店、
地元のお客様が、気兼ねなく通える気持ちが良いお店、

実店舗の話ですが、どちらも、これからのネットショップにも通じる
ような気がします。


この続きは、次回(9/16頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに!


それから、尾道・藤原茶舗 様のご厚意により、
「読者限定サービス」をことづかっていますので、お知らせします。

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読んでくださいました読者の方のみに、感謝の気持ちを込めまして、
2009年9月30日までにご注文をいただきましたお客様には、消費税5%
をサービスさせていただきます。

ただし、必ず『インタビューを読んだ』と、書き加えてください。
後で金額を修正したメールを送らせていただきます。
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みなさま、この機会に、ぜひご利用くださいませ。

(後略)

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