現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2009/09/23)
第336回 通販のお客様は、運賃をかけてでも買ってくださっている
2,435 部
味噌醤油の老舗 山田屋 様
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□□ ご挨拶
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こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。
本メールマガジンは、バックナンバーも公開しておりますので、ぜひ
ご覧ください。
https://ten.surv.co.jp/
今回のゲストは、味噌醤油の老舗 山田屋 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。
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■■ 基礎データ
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【店名】 味噌醤油の老舗 山田屋
【住所】 新潟県新潟市北区葛塚3119
【URL】 http://www.e-misoya.com/
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■■ 特徴、優位性(1)
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|貴社は、明治24年(1891年)創業とのことですね?
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山田家十代・弥惣治(初代)が現在地において、明治24年(1891年)に
醤油製造を創業しました。
商標は、「Λ」に「や」の字。
当時は、「弥惣治」を襲名していた時代で、山田屋か弥惣治の「や」
だったのでしょう。
徳利、木樽に詰めての店頭売り、大八車を引いての行商でした。
次の代で、地元での地盤は不動のものに作り上げられました。
三代目は、戦後の復興、高度成長の時代にあって、販路を関東に広げ
る一大決心をしました。
その関東進出のきっかけとなった借金騒動がありました。
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|どういった騒動?
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昭和31年、県の紹介で、蔵にある味噌全部を出荷。
この出荷が騙されたとわかったのは後の祭りで、正月の餅も買えない
ほどの借金を抱えてしまいました。
しかし、この莫大な借金以上に、現在の会社の礎を築くきっかけと
なった事件です。
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|借金が、礎を築くきっかけ?
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と申しますのは、流れ流れていった味噌が、後の関東味噌卸協議会
会長の手に届いたというのですから、うれしい偶然でした。
その方は、当時関東市場の卸を一手に担っていて、
「こんなうまい味噌!!」、「ぜひ販売したい」
と心底気に入っていただけたことが、関東にまで商圏を広げるきっかけ
となりました。
その時、まだ新潟にあった味噌を載せた貨車を止めようという祖母と
母の反対を押し切って出荷を決行したという話は、今も語り草です。
さらに、大学に残って研究の人生を送りたかった息子(後の四代目)
を実家に戻して新製品の開発を任せ、自らは新しい関東の商圏開拓を
しつつ、出張中知り合う新潟県出身者の方への今で言う通販事業も
始めました。
大きな借金とはいえ、高度成長という時代の後押しと、理論に基づく
味噌・醤油づくりに専念する跡継ぎ。
車の両輪のようだったことでしょう。
その負債を全部返し終わった昭和36年、改組し、山田醸造株式会社の
設立となります。
その間、いち早く原料を限定したコシヒカリ糀みそ「豪農」、時代の
ニーズに応じた塩分ひかえめ「華」、だししょうゆ「料理人」など、
新製品も次々と生まれています。
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|通販事業も早かったのですね。
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三代目の通販の(お客様に対する)考え方は、
「運賃をかけてでも買ってくださっているお客様」
というスタンスです。
つまり、おいしいもの、自分の気に入ったもの、近所で調達できても、
これ!というこだわりを持ってわざわざ買ってくださるお客様だと
いうことです。
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|現在は、何代目?
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現在は、五代目の社長が、中央のTV番組(日テレ)に取り上げられた
り、信越ゆうパックの会で取り上げてもらったり、ネット事業に参入
したのも現社長の早い決断でした。
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|蔵元(メーカー)で、且つ、実店舗で小売もしているのですね?
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メーカーは、小売店に売っていただくから実店舗をもたない・・・。
というのが通念のようです。
「卸やっているけど売ってはもらえませんよね!」
という、言葉をどれだけ聞いた事でしょう。
実は、今のお店(実店舗)は、出荷用の広い間口の出入り口と事務所
の壁を取り払って即席に作ったのが、少しずつ、少しずつ広がり、
事務所がだんだん狭くなり、社長室まで侵入して、自動ドアがついて、
今の形となっています。
このエリア侵略型(?)のお店の誕生は、先代(四代目)の連れ合い
(私の母です)の強い意向がありました。
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|どういった意向?
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『売ってもらえませんか?』というお客様をお断りするのが
忍びない・・・。
という発想でした。
エリア侵略型(?)店舗ですから、専属のスタッフはおりません。
経理・仕入・営業事務担当のスタッフが販売も兼ねています。
お中元・お歳暮の繁忙期には、文字通りネコの手も借りたくなるよう
なうれしい悲鳴ですが、優秀なスタッフに恵まれ、何とか
ドッコイショ!!と乗り切っています。
7日8日を「はなの日」(「華」という商品にちなんで)、
http://www.e-misoya.com/SHOP/S21-11.html
月末30日31日は、「みその日」として、実店舗に足を運んでくださる
お客様にお得を提供しています。
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|貴店(ネットショップ)の、立ち上げ時期・立ち上げの経緯は?
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はっきりした記録はありませんが、2000年問題以前のことです。
まだまだ、ネットで買い物なんて考えられなかった頃、社長が、
「電話、FAXでの注文と同じ感覚で、メールやネットでの注文の時代が
来るから準備するように!」
と。
丁度廻ってきた営業の方の話を聞いて即、HPを立ち上げることにしま
した。
1999年10月頃だったと思います。
企画立案は、すべて丸投げ!です( ⇒ 私に・・・)。
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|制作は?
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私女将が(店長)が中心となって、最初は、県内のポータルサーバー
会社に作成から運営すべてを依頼。
次第にデザイン面、更新のタイムラグに満足いかない点がでてきて、
私自身勉強を少しずつ始めました。
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|具体的には?
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更新をマメにした方が、再訪くださった方のために・・・。
飽きられないように・・・。
なんて初歩的なことから日記を始めました。
http://www.e-misoya.com/SHOP/112152/t01/list.html
その日記も、最初は、メールで送って、UPしてもらうという作業。
日記の部分だけ自分でアップできるように教えてもらって・・・。
次は、TOPページのタイムリーな企画がUPされるまでに時間がかか
る・・・。
こちら側も、依頼することが実店舗の通常業務優先。
依頼する側も後回しになる。
UPされたものが、こちらのイメージどおりではない・・・。
だったら、TOPページも自分で管理できないか・・・。
画像製作を学び、TOPページも管理できるようになりました。
こんな風に牛歩のごとくです。
買い物の仕組みまではできずにいました。
その後、
1.ビッダーズが起業して間もなく、社長が新潟県人だということも
あって、社長の話に感銘して、数ヶ月出店したこともありました。
2.Yahoo!ショッピングに1年半ほどお店を出しました。
(何回かセミナーに行って勉強しました)
3.gooショッピングモール無料出店(期間限定)に出店。
このモールが、Eストアーに移行(これが今に続きます)。
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|貴社における、ネットショップの位置付け・役割は?
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当初、消費者にとっての注文ツールの1つと考えてスタートしていま
す。(ツールを準備して待っていてるというスタンスでした。)
現在の位置づけ・役割となると若干変化してきています。
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□□ 編集「中」記
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味噌醤油の老舗 山田屋 様、ありがとうございました。
> 三代目の通販の(お客様に対する)考え方は、
> 「運賃をかけてでも買ってくださっているお客様」
> というスタンスです。
> つまり、おいしいもの、自分の気に入ったもの、近所で調達できても、
> これ!というこだわりを持ってわざわざ買ってくださるお客様だと
> いうことです。
以前、弊社が「インターネットショッピングの利用状況調査」
https://www.surv.co.jp/report/repo0706.html
を実施した際、ネットショップユーザーが「一番気になるのは送料」
とのことでした。
ショップ側としては、「お店まで行く交通費と時間が節約できます」
と言いたくなるかもしれませんが・・・
そのあたりをどう考えるかによって、接客や値段付けも違ってくる
ことでしょう。
この続きは、次回(9/30頃発行)とさせていただきます。
お楽しみに!
それから、味噌醤油の老舗 山田屋 様のご厚意により、
「読者限定サービス」をことづかっていますので、お知らせします。
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ネット注文時、『インタビューを読んだ』と書き加えていただいた
お客様には、「醤油少々 塩分ひかえめしょうゆ『華』 小瓶 」
http://www.e-misoya.com/SHOP/S21-11.html
をサービスさせていただきます。(2009/10/31まで)
ただし、「おためしセット」「みそ味見セット」のお客様は、除かせ
ていただきます。
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みなさま、この機会に、ぜひご利用くださいませ。
(後略)